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2016-11-15

ふるさと納税の仕組みと限度額について税理士がわかりやすく解説!

税理士である私自身が行った『ふるさと納税』経験を元に、ふるさと納税の仕組みを解説します。
特にふるさと納税で税金が安くなる仕組みについて詳しく説明いたします。

所得の多い読者にお目を通していただきたい内容です!

所得の多い人がより得ができるのがふるさと納税です。

なお、この記事は2016年11月時点の法令・現況に基づいております。

税理士である私がふるさと納税をおススメする4つの理由

実質負担金額2,000円のネットショッピング

ふるさと納税とは、実態はネットショッピングで日本全国の地方自治体から特産品をもらうことです。

実質負担2,000円の仕組みは後ほど説明します。

収入の多い人ほど得をする仕組み

納税と言われているが、実際には『寄付金控除』という仕組みをつかっています。
控除と名前がついているものは、所得の高い人ほど得をします。

リスクはゼロと言い切れる

巷ではふるさと納税が『節税』であるという記述も見受けられますが、私は『節税』とは考えていません。

ただし、ふるさと納税がお得な制度であるのは間違いありません。

しかも、手続きをきちんとすれば、全くリスクが無いのです。

節税の考え方を理解するきっかけに!

税制の仕組みを知らないことで、皆さまに損をしてほしくない!

普段はご自身の所得税の金額はあまり関心のない人もふるさと納税をきっかけに所得税の計算方法やその考え方を理解するきっかけになれば幸いです。

ふるさと納税をして、ご自身で確定申告をすれば、税金の計算の仕組みがわかります。

このことが、節税の考え方を理解するきっかけになります。

ふるさと納税の仕組み(全体像)

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税の全体像を時間の流れに沿って説明します。

平成28年12月末までにふるさと納税をすると

❷約一月から二月程度でお礼の品と寄付金受領書がお手元に届きます

❸その寄付金受領書を使って、平成29年3月15日までに確定申告をすると

❹所得税の還付を受けられます、遅くとも平成29年5月までには還付金が口座に振り込まれます

❸実は、確定申告をした情報はお住まいの市区町村の役所へ伝送されています

❺役所では確定申告の情報をもとして、住民税の計算をして、平成29年6月分以降の住民税の減額を行います

ふるさと納税をすると、所得税と住民税が安くなります。

住民税が安くなるのは、その次の年の6月分以降となるのがポイントです。忘れたことろに税金が安くなるのです。

ふるさと納税すると税金が安くなる仕組み(所得税)

そもそも所得税はどうやって計算されるか?

所得税の計算の仕組みは滅茶苦茶簡単に表すと、以下のとおりです。

所得税の計算方法:所得金額×税率=所得税

この税率は所得に応じて決まっています

寄付金控除(所得税)とは?

ふるさと納税すると、『寄付金控除』が適用されます。

『寄付金控除』は所得金額から(寄付金-2,000円)を控除することができます。

10,000円をふるさと納税したとすると、8,000円だけ所得を減らしてくれます。

税率が23%の場合

(所得金額-8,000)×23%=所得税

1,840円だけ所得税が安くなります。

では、ふるさと納税をたくさんして、この所得金額をゼロにできる?というと、それはできません。

減らしてくれる金額には上限があります。

上限は、所得の40%までです。

寄付金控除のポイント

所得税は所得が多くなれば、なるほど税率も大きくなります。

この寄付金控除は所得の多い人ほど、所得税をより少なくできる仕組みといえます。

ふるさと納税すると税金が安くなる仕組み(住民税)

そもそも住民税はどうやって計算されるか?

住民税の計算方法:所得金額×10%(一律)=住民税

住民税の税率は所得にかかわらず、一定です

寄付金控除(住民税)とは?

住民税の計算はとても複雑です。これを考えた人はどういう頭をしてるんでしょうかね。

いや、とても頭がイイ人という意味です。

基本分と特例分の合計額を住民税から控除できます。

基本分

(寄付金-2,000円)×10%
ただし、(寄付金-2,000円)は所得の30%までが上限

特例分

(寄付金-2,000円)×(90%-所得税の税率)
ただし、住民税の20%までが上限

10,000円をふるさと納税したとすると、どうなるか?見ていきましょう。

基本分

8,000円×10%=800円 住民税が安くなります

特例分

所得税の税率が23%の場合

8,000円×(90%-23%)=5,360円 住民税が安くなります

合計で6,160円 住民税が安くなります。

これにさきほどの所得税の1,840円を加えると、8,000円税金が安くなります。

10,000円ふるさと納税すると、8,000円税金が安くなるので、実質負担は2,000円といえます。

寄付金控除のポイント

住民税の寄付金控除は『特例分』がポイントです。

特例分の上限額は住民税の20%です。この上限にひっかかると実質負担2,000円以上かかってしまいます。

ですので、ご自身のふるさと納税する上限額を知るのが大事です。

限度額について(年収1,500万円の人のシミュレーション)

年収1,500万円の人がいくらふるさと納税したら、、どれくらい税金が減るのか?計算しました。

(年収1,500万円あたりの人から重税感があるのでは?との私の感覚からこの金額でシミュレーションしています、決して私自身の年収ではございません。)

前提

サラリーマン(給与所得者)、専業主婦の妻、小学生の子ども一人

社会保険料控除を考慮(協会けんぽと厚生年金)

シミュレーション結果

ふるさとうシミュレーション

ここで注目したいのが、実質負担額です。

これは、ふるさと納税を全くしなかった場合の所得税と住民税の合計額2,922,700円と差額を計算しています。

ふるさと納税額が300,000円までは実質負担額は2,000円ですが、

400,000円すると、実質負担額19,500円となります。

このケースの場合、実質負担額が最低の2,000円となるふるさと納税額(限度額)は365,000円と計算されました。

まとめ

  • ふるさと納税すると、所得税と住民税が安くなる
  • 所得税は確定申告後すぐに還付金をもらえる
  • 住民税は翌年の6月分以降に減額分が反映される
  • 限度額の計算は住民税が複雑でわかりづらい
  • ご自身の限度額を調べたい場合は、ふるさと納税サイトのシミュレーションを参考にするとよい
  • 厳密なシミュレーションは税理士に依頼することも可能です

 

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